高見商店【からし蓮根の由来】
からし蓮根の発祥は、今から四百年も前の話です。
加藤家がほろんで細川家が肥後五十四万石の太守となって豊前から入国して来ました。耶馬渓の羅漢寺の玄宅和尚も細川公に従って熊本にやって来ました。
来て見ると熊本には蓮根が多い。しかもこの蓮根は栄養価が高い。
そこで和尚は蓮根を煮て藩主忠利公にすすめたが忠利公は一口たべたのを吐き出してあとを喰べようとしません。玄宅は考えました。蓮根をみせずに気づかぬうちに蓮根をたべさせる方法を、そして考え出したのがからし蓮根でした。
蓮根の穴に辛子味噌をつめ上からころもを着せた。それを忠利公にたべさせました。
口に入れるとツーンと鼻をはじき蓮根は、味噌ところもとまじりあって一種独特の風味をたたえています。忠利公はたちまち辛子蓮根党となりました。
以来、辛子蓮根は細川家のお家料理となったといいます。そして蓮根の穴が九つきちんと揃っているのを、細川家の九曜の紋になぞらえて喜んだそうです。辛子蓮根を輪切りにすると九曜の紋があらわれるというのです。玄宅和尚は忠利公からもらった成趣園の一角に水前寺を建てました。いま玄宅寺といっているのがそれです。
高見商店では、創業以来本物のからし蓮根を追求しつづけ、こだわりのある高見の伝統の味と素材をお届けしております。